第一コリント 13章5節(2) 愛はいらだたず、恨みを抱かない

2020年1月20日

(内容)

  • 愛はいらだたず、恨みを抱かない。

(黙想)

  • 「いらだたず」(新共同訳、口語訳、新改訳2017)。「恨みを抱かない」(新共同訳、口語訳)、「人のした悪を心に留めず」(新改訳2017)。ギリシャ語は「悪を数えない」。
  • 愛はいらだたないとある。相手の言動にこちらが反応し、やがてそれは怒りに変わる可能性がある。いらだちは私たちの心に生じるものである。それを抑えるか、怒りとして現すかは、その時の状況による。基本的にいらだちは相手に対する「敵意」である。この敵意を鎮めなければならない。
  • 「愛はいらだたず」。ならどうするのか。一つは寛容に相手の行為を見過ごす。いらだちを抑えるのである。相手への敵意は消える。しかしこれがストレスとなって心にため込まれる可能性はある。そしていつの日か堪忍袋の緒が切れるという事態を招く可能性はある。
  • 今ひとつは、相手に率直に、あなたのこの態度が僕にいらだちを与えたと語ってみることである。責める口調であってはならない。ただたんたんと事実を語るのである。自分の気持ちを伝えるのである。すると相手もなぜ、いらだちを与えてしまった行動をしたのか語るだろう。すると互いに相手を理解しようとする心が育つ。すると寛容な心、広い心が育てられていく。
  • しかし現実には人は自分の感情に動かされてしまいがちである。いらだちが怒りになり、その怒りが相手にぶつけられると相手も怒り、争いになる。何度経験したことか。
  • 「恨みを抱かない」「ひとのした悪を思わない」。これは無理だと人は感じるだろう。恨みを抱きたくなるようなことをされて、恨みを抱かないとしたら、弱虫に見える。負け犬に見える。相手と争っても自分が負けるから、恨みを抱かない、相手の悪を思わないとするなら、自分を否定しているように見える。忍耐を強いられているように思える。相手との立場の違いがあれば、弱い立場の人は恨みをこらえ、我慢するかも知れない。
  • 恨みを抱かず、人の悪を思わない、これは不当な要求にも思える。相手と自分が対等なら、いらだちの場合のように自分の気持ちを伝えることができる。立場に違いがある時、相手が上の立場、強い立場の時、自分の気持ちを伝えることはむずかしいだろう。その時は、自分の気持ちを抑え込むことになる。相手が自分より弱い立場、下の立場なら、怒りを発してしまうだろう。
  • 恨む気持ちを抑えるなら心の中にたまっていく。夫婦げんかでよくあることは「あの時、あなたはこうした、あの時、あなたはこうした」と次々に過去の恨みを告げることである。その時、その時、解決していかないとこうなる。
  • パウロが愛は恨まないと教える時、これはキリスト者に対する教えである。キリスト者でない人は愚かな教えと受けとめるだろう。恨みを晴らすことを考えるだろう。しかしキリスト者はそれをしない。それはなぜか。それは相手とのよい関係を築くことを願うから。キリスト者は弱虫になるのではない。相手とのよい関係を築きたいのである。いらだたないも同じである。
  • 身近な人間関係において、小さな恨みが心の中にため込まれていく。できるだけ解消したい。そのためには何でも話し合えるような関係を築く努力が必要となる。お互いにキリスト者ならそれなりの努力はできるが、相手がキリスト者でない場合、こちらが自分の気持ちを伝えると相手は自分が非難されたと思い、話し合いにならないこともある。必ずしも相互理解に向かうことは限らない。相手から自分の行動についてこう感じたと言われることはある意味でつらい。つまり自分の罪を指摘されることになる。だからそのような言葉は聞きたくない。未信者であればなおさらだと思う。これも一つの現実である。未信者の伴侶を信仰に導くことの大切さがここにある。
  • いらだちを覚える場合、恨みを感じる場合、相手とのよい人間関係を築く努力が必要なのだと思う。それゆえ愛はいらだたず、恨まず、相手の悪を数えないのだろう。

(聖書に聞く)

☆神が私たちに求める生き方
  • (勧め)いらだたない。恨まない
  • (勧め)互いに自分の気持ちを伝え合うことができる関係を築く

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神さま、今日も聖書を思いめぐらすことができて感謝します。愛について思いめぐらすことができました。そして妻との関係を思い出しました。お互いにキリスト者なので、聖書の教えを大切にします。そのおかげで色々ありましたが、お互いの気持ちを尊重し合う関係を築くことができたことを感謝します。
  • イエス・キリストの福音は、ただ罪の赦しを与え、永遠の命を約束するだけでなく、私たちの生活、とくに人間関係を祝福するものであることがもっと伝えられたらと願います。教会の中から、その証しが語られ、広まっていくといいなと思います。しかし人間の罪が関係しているので、簡単にはいかないと思います。
  • 今日は、福音のおかげで恵まれた夫婦関係を築くことができたことをあらために感謝することとします。
☆神の導き
  • 感謝を献げる。