マルコ福音書 10章23~31節 神の国に入る

2022年8月24日

(内容)

  • イエスは金持ちが神の国に入るより、らくだが針の穴を通る方がまだ易しいと語る。神の国に入ることのむずかしさが語られ、しかし神にはできると語られる。

(黙想)

  • イエスは財産のある者が神の国に入るのはなんとむずかしいことか、と言われた。これを聞いて弟子たちは驚いている。なぜ驚いたのか。財産のある者が神の国に入るのはむずかしくないと思っていたのだろうか。
  • 現代でも多くの日本人は死んだら天国に行けると考えているらしい。だれが神の国に入ることができるのか、明確な考えを人々は持っていなかったのではないか。分からないことを人は、自分に都合よく考える。
  • イエスは金持ちが神の国に入るのはむずかしいことを、ラクダが針の穴を通る方がまだ易しいと言う。ラクダが針の穴を通ることは不可能だから、金持ちが神の国に入ることは事実上不可能だと言っている。金持ちは自分の財産を捨てることはできない。だから神の国に入れないとイエスは言う。
  • 弟子たちは、これでは誰が救われるのだろうかと言う。イエスは金持ちが神の国に入るのはむずかしいと言っただけである。弟子たちは、自分たちにも財産を惜しむ気持ち、お金を惜しむ気持ちがあったのだろうか。それで誰が救われるのだろうかと言ったのか。
  • イエスは、人間にはできることではないが、神にはできると語る。神の国に入ること、救いは、人間の努力で獲得することではなく、神の恵みとして与えられるものである。
  • ペトロが「私たちは何もかも捨ててあなたに従ってきました」と言い出した。金持ちは神の国に入るのはむずかしいが、自分は何もかも捨ててあなたに従ってきたのだから、自分は神の国に入れますね、とイエスに確認したい気持ちでの発言なのか。
  • イエスはさらに続ける。「わたしのためまた福音のために」家族を捨て、家、畑を捨てる者は、迫害を受けるが家族、家、畑を百倍受け、後の世では永遠の命を受ける」。
  • 大切なのは、何のために生きるかである。イエスは「わたしのため、また福音のために」と語る。イエスのため、福音のために生きる。これが大切である。生き方の転換である。この目的は、神が私たちに与えてくれる目的である。
  • イエスのため、福音のために生きる時、必要ならば家族、家、畑を捨てるのである。それはイエスのため、福音のために生きることを徹底するためである。

マルコ 8:35
自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのため、また福音のために命を失う者は、それを救うのである。

  • イエスのため、福音のために生きることが、信仰者の基本なのである。自分のために生きている者が、自分の財産をすべてお金に換えて貧しい人たちに施すことなどできるわけがない。
  • 30節の百倍受けるという表現はたとえだろう。イエスのため、福音のために生きる時の神の祝福の豊かさを表現していると考える。イエスのため、福音のために生きる人は迫害を受けるかも知れない。それでも神の祝福は豊かなのである。
  • イエスのため、福音のために生きる、これが神が与えたもう、永遠の命を受け継ぐ生き方なのである。自分の努力の報酬として永遠の命を受け継ぐことはできない。しかし神が示された生き方をするなら、受け継ぐことはできる。
  • イエスのもとに永遠の命を受け継ぐためにどうしたらよいかと尋ねた人がいた。イエスは彼に「あなたに欠けているものが一つある」と言われた。それは「自分のため」ではなく、「イエスのため、福音のために生きる」ことを知ることである。
  • 人は、「イエスのため、福音のために生きる」時、真に自分のために生きることになる。

(聖書に聞く)

☆神はいかなる方か
  • <御父>神は私たちを救うことができる方。神だけが救うことがおできになる。
☆神が私たちに求める生き方
  • <勧め>イエスのため、福音のために生きること。
  • <勧め>生き方の転換をすること。自分のためではなく、イエスのため、福音のために生きることの転換。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神さま、聖書を思いめぐらすことができ感謝です。そして自分はイエス・キリストを信じ、生き方を転換し、信仰者として、今日まで歩んでこれたことを感謝します。信仰者として新しい命を与えられ、この命に生かされてきたことを感謝します。そして御国への希望を与えられていることを感謝します。
  • 富や名誉などへの執着から自由に生きることができたこと、感謝です。
  • そしてあなたとの交わりに生きることを教えられ、この交わりに生きていること、感謝です。あなたに生かされていることを覚え、感謝です。
  • しかしこの世は罪が支配しており、人々は罪の支配下に置かれています。自分中心に物事を考え、自己中心に生きています。善意をもって生きている人もいれば、悪を行う人もいます。罪が色々な形で現れ、人々は苦しんでいます。
  • そのような中で、永遠の命を受け継ぎたいと願う人がいます。どうしたら受け継ぐことができるのか、知りたくても分からない人がいます。教会の門をたたく人もいると思います。教会が福音を伝え、救いを伝えることができるようにと願います。
  • 私もささやかながら福音を伝える働きをしています。あなたによって導かれ、用いられることを願います。
  • 諸教会の伝道の働きのために今日は祈ることとします。
☆与えられた導き
  • 諸教会の伝道の働きのために祈る。