マタイ福音書 27章11~26節 私の救い主

2021年3月30日

(内容)

  • イエスはピラトのもとに連れて行かれた。祭りのたびに総督は民衆の希望する囚人を釈放することにしていた。ピラトはイエスを釈放したかったが民衆は「バラバを」と叫び、「イエスを十字架につけろ」と叫んだ。この声に負け、ピラトはイエスを死刑にすることにした。

(黙想)

  • イエスはピラトの前では何を聞かれても黙っていた。なにか事情を説明することもしなかった。すべて神のご計画と受け止め、自分を弁護するようなことは語らなかった。
  • そしてピラトは慣習に従って祭りのとき、恩赦をするのでイエスを釈放できることを願った。しかし大祭司や長老たちは群衆を説得し、バラバを釈放し、イエスを十字架につけるように扇動した。その結果、イエスは処刑されるためにローマの兵士たちに引き渡された。
  • マタイだけが記録しているエピソードとしてピラトの妻が、夢で苦しみ、夫にイエスと関わるなと告げた。ピラトは、群衆の前で手を洗い、イエスの死について自分はなんの責任もないと語った。また群衆が「血の責任は、我々と子孫にある」と叫んだのもマタイだけが記録している。
  • この場面にも人間の罪が描かれている。ピラトはイエスが無実であると知りながら、イエスを死刑にすることを容認した。保身からである。群衆は扇動されてイエスの死に加担している。それだけでなく、「血の責任は、我々と子孫にある」とさえ語る。大祭司、長老たちは何としてもイエスを死刑にするために群衆を説得したとある。
  • 神が遣わした救い主をローマ総督、大祭司、長老たち、群衆が皆、死刑にしようとしている。人々は、自分たちを罪から救う救い主を殺してしまうのである。イエスは、自分が救うために来た人々が自分を殺そうとしているのを見る。
  • 神はなぜ、救い主が殺されることによって救いのみ業をなすというような計画を立てられたのか。他に方法がなかったのか。人間を造り、人間が何者かを一番知っている神が人間を救うために立てた計画は最善であるに違いない。
  • 人間の罪が最大の問題であり、人間をこの罪から救う。この世のあらゆる問題は罪が原因である。人間は自分の力で自分を救うことはできない。神の助けが必要である。神は人間の心を作り変えるという救いの道を開いた。その時、なぜ救い主が十字架で死なねばならないのか。それしか人間の心を作り変える道はないのか。神は救い主を十字架で死なせ、そして復活させた。この救い主の死と復活にあずからせる形で、人を救おうとされた。人間の思いも浮かばない方法である。しかもそこでは、信仰者が救い主と一つになることによって救われるのである。人は自動的には救われない。
  • 救い主は人々の罪による十字架で処刑されることとなった。救い主は人間の罪を救うために地上に来られ、十字架で死ぬこととなったし、死なれた。ここで大切なのは、この方による救いを私はどう受けとめているか、である。イエスを信じた人がどのように生きているのか、それはその人がイエスをどのような救い主と受けとめているのかを示す。
  • 自分は罪をどのように受けとめているのか。イエスの救いを本当に必要としているのか。この機会に振り返ってみるのもいいかもしれない。

(聖書に聞く)

☆神はいかなる方か
  • <御子>ピラトの前では何も話さなかった。
☆神が私たちに求める生き方
  • <勧め>聖書が語ることに真摯に耳を傾ける。聖書が与えようとしている救いを見誤ってはいけない。
  • <勧め>聖書が語ることに心を開き、自分を批判的に見ること。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神さま、大祭司、長老たちが、イエス様を殺そうと企み、イエス様を死に至らしめます。彼らは宗教指導者、民の指導者であり、あなたを信じる者たちでした。しかしあなたがお遣わしになった救い主を信じることをせず、それどころか、殺そうとさえするのです。神を信じる者が神が遣わした救い主を信じないどころか殺そうとする、不可解なことです。それは結局、神を信じる者たちが、神を理解しようとしていなかったことに原因があります。聖書に親しまず、聖書の語ることに心をひらいていなかったことと思います。
  • また群衆は単純に扇動され、イエス様を死に追いやりました。群集心理という言葉がありますが、自分をしっかり保つことができませんでした。私たちは聖書に親しみ、教えられることなしに自分を保つことはできません。
  • かくいう私自身もまた罪を犯す者です。そしてイエス・キリストの救いを必要とする者です。自分の罪をどう理解し、そして救い主の救いを自分はどう理解しているのか、確認したいと思いました。一つの証として書いてみたいと思いました。
☆与えられた導き
  • 自分の罪理解とイエス様の救いの理解について証しの文を書いてみる。