マルコ福音書 1章1~8節 キリストの福音

2021年5月26日

(内容)

  • マルコはキリストの福音を伝えようとする。キリストの先駆者としての洗礼者ヨハネの登場を告げる。ヨハネは人々に罪の赦しを得させるための悔い改めの洗礼を宣べ伝えた。

(黙想)

  • 洗礼者ヨハネの登場は旧約聖書のイザヤ書に預言されていたとある。救い主のことを考えるとき、旧約聖書を忘れてはならない。なぜ救い主が登場するのか、なぜ救い主の到来を待ち望むのか、それは旧約聖書に書かれているから。そして今や、待ち望まれていた救い主が登場したのである。
  • ヨハネは罪の赦しを得させるための悔い改めの洗礼を宣べ伝えた。そして彼のもとに来た人たちは、罪を告白して洗礼を受けた。ヨハネの洗礼は水による洗礼で、罪の赦しを与えるものであった。ヨハネはイエスについて聖霊による洗礼を与える方とイエスを紹介する。
  • キリスト者はイエスの名による洗礼を受ける。実際には父、子、聖霊の名による洗礼を受ける。ヨハネの洗礼は受ける者に罪の赦しを与える。イエスはヨハネより優れたお方であり、この方が聖霊による洗礼を授けるとするなら、その効果、益は何かが問われる。
  • 洗礼者ヨハネの働きは、メシア、救い主の働きの準備である。その準備の上にメシアの働きがある。ヨハネは罪の赦しを得させる洗礼を宣べ伝えた。イエスは聖霊による洗礼を授けるとヨハネは語る。聖霊による洗礼は、水の洗礼を超える意義を持つはずである。それは何か。新約聖書を読むとそれは罪の赦し、そしてそれを越える意義を持つ。言い換えると罪人の再生である。
  • 旧約聖書はイスラエルという国は、イスラエルの民の罪のために滅びたことを語る。バビロン帝国の侵略で国家は滅びた。その後預言者は、イスラエルの再興を語る。ヨハネの登場を預言するイザヤ書の言葉は、イスラエルの再興に関する預言の言葉である。
  • イエスはイスラエルの再興を目的に来られたが、同時にすべての人を救うためにも来られた。救いとはそもそも何なのか。それは罪の赦し以上のもの、罪からの救いであり、これは異邦人も、つまり全人類が必要としているものである。罪人の再生である。
  • 今日の箇所には、聖霊による洗礼が何であり、どのような意義を持つのかは語られていない。この福音書の著者マルコは、イエスの与える救いは何であると理解しているのか、注目したいと思う。それと同時に、メシアの先駆者としてヨハネが来るとイザヤが預言している。それならイザヤはメシアはどのような救いをもたらすと考えているのか、確認する必要はある。

(聖書に聞く)

☆神はいかなる方か
  • <御子>御子は洗礼による洗礼を授ける方である。
☆神が私たちに求める生き方
  • <勧め>イエス・キリストが与える救いが何か、きちんと理解することが大切である。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神さま、あなたは救い主イエス・キリストの先駆者としてお遣わしになりました。ヨハネは罪の赦しを得させる水の洗礼を人々に授けました。では聖霊による洗礼を授ける救い主の働きは何かと思います。救い主イエス・キリストは自らを罪の償いのためにいけにえとしてささげられました。このいけにえのゆえにイエス・キリストを信じる者は罪の赦しを与えられます。救い主が授ける聖霊による洗礼は、罪の赦しだけでなく、もっと大きな救いの恵みを与えると信じます。ヨハネは救い主のことを「私よりも優れた方」と語り、「わたしは、かがんでその方の履き物のひもを解く値打ちもない」と言います。救い主は、大きな大きな、救いの働きをなさいます。それは何なのかと思います。
  • マルコ福音書はこのメシアであるイエスの働きをこれから語っていきますから、イエスの与える救いは何かに注目してこの福音書を読んでいきます。同時に、メシアの先駆者の到来を告げるイザヤ書は、メシアはどのような救いをもたらすと語っているかを知ることも大事ですね。先駆者の働きを語ったのですから、救い主の働きに言及しているはずです。イザヤ書を読んで、メシアの働きについて確認したいと思います。
☆与えられた導き
  • メシアの働きについてイザヤ書を読み、確認する。