第一テサロニケ 4章13~18節

2020年7月31日

(内容)

  • テサロニケ教会には、共に信仰生活を送っていた人が亡くなり悲しんでいる人たちがいたようである。そこでパウロは、信仰者の希望はいつまでも主と共にいることにあると語る。

(黙想)

  • この世にあって死別の悲しみはなくならない。パウロは希望を持たない他の人々のように嘆き悲しまないために、とクリスチャンの希望を語る。クリスチャンにも死別の悲しみはあるが同時に希望もある。
  • まず「イエスと一緒に導き出してくださいます」。わかりにくい文章である。眠りについた人たちを眠りから導き出すとの意味か。16節には「キリストに結ばれて死んだ人たちが、まず復活し」とある。クリスチャンには復活の希望がある。
  • クリスチャンが復活するタイミングは、神のラッパが鳴り、主ご自身が天から降ってくるときである。主が降ってこられたら、眠りについた者たちが復活し、それから生き残っている者たちが復活した者たちと一緒に雲に包まれ引き上げられて、空中で主と出会うと書かれている。クリスチャンの希望は主と会うことであり、いつまでも主と共にいることである(17節)。クリスチャンの死後の希望は、復活しいつまでも主と共にいることとパウロは教えている。
  • ここでは「空中で主と出会う」という印象的な描写がなされている。神がおられる世界、人間の目には見えない世界からイエスはこの世界に今一度来られる。再臨したイエスと空中で出会うことを「携挙」(ケイキョ)という。僕は、空中に引き上げられ主と出会うという携挙を文字通りには信じない。主の再臨、主との出会いを一つのイメージで描いていると考える。
  • マタイ25:31では「人の子は、栄光に輝いて天使たちを皆従えてくる時、その栄光の座に着く。そして、すべての国の民がその前に集められると」と書かれており、ここには携挙は語られていない。天におられるイエスがどのようにしてこの世界に現れるのか、その現れ方は人間にはわからないし、描写しようとすれば、イメージで描くほかないと思う。携挙も一種のイメージであり、これにこだわる必要はないと考える。大事なのは主イエスがおいでになるということである。
  • 復活し、いつまでも主と共にいるとの希望を抱き、互いに励まし合いなさいとパウロは勧める。
  • 葬儀の時、亡くなった人と天において再会する望みがあると語られる。親しい人を亡くした人への慰めの言葉として語られる。親しい人との再会の希望を聖書は直接的には語っていない。しかし信じる者たちが復活し主と共にいることになるのなら、再会する望みはあると言うことはできる。しかしパウロはここでは、いつまでも主と共にいる、それが信仰者の希望だと告げている。主といつまでも共にいることを願う、これが真のクリスチャンの願いである。この希望が忘れられてはならない。

(聖書に聞く)

☆神はいかなる方
  • <御父>神はクリスチャンを眠りから死から復活させる方である。
  • <御子>ラッパが鳴り響くと共に天から降ってこられる方である。
☆神が私たちに求める生き方
  • <教え>いつまでも主と共にいる、これがクリスチャンの希望だとパウロは教えている。
  • <教え>死別の悲しみの中にあって、信仰者の希望を弁えておくことも大切である。
  • <勧め>希望をもって互いに励まし合うようにパウロは勧めている。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神さま、死別の悲しみの中にあるテサロニケの信仰者に対してパウロはクリスチャンの希望を語りました。それは再臨される主といつまでも共にいることです。フィリピの信徒への手紙では、パウロは早く主のもとに行きたいと語り、主と共にいることを熱望するとも語っています。
  • 最近は、英語の讃美歌であなたを賛美しています。特に歌詞に興味をひかれます。4番になるとクリスチャンの希望を語る歌詞があり、励まされる思いがします。あなたをたたえるさんびかではげまされることをとおして信仰を励まされるのはうれしいです。信仰者の希望が私のうちで確かなものとなるように導いてください。
  • 特に「いつまでも主と共にいる」ことを希望とすることができますように。パウロは、主と共にいることになるので死ぬことは利益だと語っています(フィリピ1:20)。そして今すぐ死んで主と共にいることを熱望するとさえ語ります。私もこの信仰をもつことができたらと願っています。
  • このフィリピの箇所をテキストに8月の末に説教奉仕をすることにしています。このテキストに取り組み、パウロの信仰に倣うことができるように導いてください。
  • またキリスト教の葬儀で、故人との再会が希望として語られます。それは間違っていないと思いますが、クリスチャンの真の希望は主と共にいることであるとのメッセージをあいまいにする危険があると思います。この点からも、主と共にいることが真の希望であることを教えてください。
☆与えられた導き
  • 8月の説教のために神の導きを祈る。