ヘブライ人への手紙 8章

2018年1月17日

(内容)

旧約聖書にある、神の律法によって定められた祭司制度は、影であり写しです。御子キリストが天上でまことの聖所で大祭司として仕えておられることを指し示すので、影であるとか、写しであるとか言われます。そして今や、キリストが天上で祭司としての務めを果たしておられるので、地上における祭司制度は消え去るものとなりました。

(黙想)

  • 昔、エジプトで奴隷として苦しんでいたイスラエルの民を救い出すために神さまはモーセを指導者に立てました。そして神さまはイスラエルの民を奴隷状態から解放し、自由に生きることのできる地へを導くと約束なさいました。実際、民はエジプトから解放され、約束の地を目指す旅をし、シナイ山の麓に来た時、神はイスラエルの民と契約を結ばれました。神さまはイスラエルの民に掟(十戒、律法)を与えられ、これを守るなら祝福を与えると民に約束されました。そして民は、これを守ると約束しました。神と民双方が約束し、ここに契約が成立しました。
  • もし民が神の掟を破った時、民は罪を犯したことになります。罪を犯した時は、動物のいけにえを献げ、神に赦しを求めるように律法には定めがありました。民から預かったいけにえを祭司が祭壇でささげます。そして民は神から赦しを受けます。犠牲を献げるのは祭司の役目です。
  • これは影であり写しです。つまりキリストが天上においてご自身を罪のためのいけにえとしておささげし、それによって罪の贖いを成し遂げられたこと、これが本体です。動物のいけにえを献げて罪の赦しを得るのは、影であり、写しなのです。
  • 旧約聖書を読むと分かることですが、イスラエルの民は、罪を犯し続けたことが分かります。預言者が悔い改めて神に立ち帰るように語りましたが、悔い改めず、神に立ち帰ることはありませんでした。民が神の掟を顧みなかったので、神も民を顧みず、結局イスラエルの国は滅亡してしまいました。
  • しかし神は新しい契約を結ぶ日をエレミヤを通して語られました。エレミヤが語った言葉が今日の聖書に書かれています。新しい契約のもとでは、民は進んで神の戒めを守るものとなり、たとい罪を犯しても神はそれを赦し、民の罪を思い出さないと約束されます。 最初の契約において欠けたところがあったとこの手紙の著者は語ります。神さまの契約なので欠けがある、欠点があると語るのにはためらいを感じますが、限界があった事は確かです。つまり罪の赦しを得るために動物のいけにえを献げたとしても、献げる人に罪を克服する力を与えることはなかったのです。ですから民は同じ罪をくり返し、いけにえをささげることをくり返すことになります。
  • 今や御子イエスは大祭司としてご自身をいけにえとして献げられ救いを与えられました。この大祭司は、民から罪を取り除きます。そして信じる者が自由な心で進んで神さまの戒めを守るようにさせます。

(聖書に聞く)

☆神はいかなる方か
  • (御父)神は新しい契約を与えてくださった方です。
☆神が求める私たちの生き方
  • (約束)神さまは信じる者の心に律法を書き付けられます。エレミヤ書では、「私の律法を彼らの胸の中に授け、彼らの心に記す」とあります。これは神さまを信じる者が自由な心で進んで神さまの戒めを守るようになることを約束しています。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神、あなたはイエス・キリストにより、私たちを新しい契約のもとにおいてくださったことを感謝します。出エジプトの出来事を思う時、イエス・キリストによる福音は解放であることを思います。すでに2章でイエス・キリストは私たちを死の恐怖から解放してくださったとありました。9章では、私たちから罪を取り除くことが教えられています。罪からの解放も救いの恵みとして約束されています。うれしいことです。
  • しかし天の父なる神さま、私たち救われた者が罪からの解放を味わっているかというと、そうでない現実に直面します。イエス・キリストによる救いの恵みを罪の赦し、新生、罪からの清め、とするなら、新生、罪からの清めの感謝の祈りが聞こえてこないのです。礼拝の時に司式者が祈ります。これまで色々な教会で説教の奉仕をしてきましたが、罪の赦しの恵みに感謝する祈りはささげられても、それ以上の恵みへの感謝は聞くことが少ないです。イエス・キリストは復活され、信仰者はその復活にあずかり、新しく生まれて生きることが恵みとして与えられていることが信じられていないかのようです。礼拝で罪の悔い改めの祈りを聞く求道者は、信仰者になる気持ちになれないのではないかとさえ思います。これでは伝道の力が生まれてこないと思います。この壁を克服したいと考えて、説教をし、信徒を養う務めをしてきました。今は牧師の務めから引退しました。
  • 今、私にできることは多くはありません。以前からしたいと思っていたことがありますので、それを今日したいと思いました。礼拝の録音を聞いて、司式者の祈りを文章に起こしたいと思います。この問題を考える時にデータにしたいと思います。
☆与えられた導き
  • 礼拝の司式者の祈りを文章化する。二つ文章化する。