ルカ福音書 12章22~28節

2018年8月27日

(内容)

  • 思い悩みについてのイエスの説教。マタイ福音書にもあります。

(黙想)

  • イエス様は鳥や野の花のことを考えなさいと語ります。そこで思います。空の鳥を神さまが養っているというのは本当と考えるかどうかです。地球上の生物について、絶滅危惧種という言葉があります。絶滅していった動植物があるのです。もし神さまが養ってくださるなら、絶滅という心配はないはずです。生息環境によっては絶滅する可能性があるのに、神が養っておられると考えていいのかどうか。
  • イスラエルのソロモン王は莫大な財産を持っていましたから、身につけたものは、豪華なものであったと考えることができます。雑草と呼ばれる野の花の方がソロモンよりも美しく着飾っていると言えるのでしょうか。雑草の花には、見栄えのしない花があります。だから名前があるのに、雑草と一緒くたにされてしまいます。昔イスラエルに旅行したとき、日本では植木鉢に飾るような花が野にいっぱい咲いていて、雑草があまりなかったという印象を持ちました。イスラエルでは、野の花もきれいなのかもしれません。本当のところは分かりません。
  • イエス様の話されたことにけちをつけるわけではありません。イエス様はたとえを語られているのです。イエス様が伝えたいことは、あなたがたは、空の鳥や野の花よりも、神さまにとって大切な存在であること、神さまは、鳥や野の花よりも大切なあなたがたに必要な食べ物や着るものを備えてくださること、つまり生活に必要なものを備えてくださる方である伝えようとしているのです。
  • そのことを信じきれない人について「信仰の薄い者よ」とイエス様は呼びかけています。イエス様は、信じるように私たちを招いています。

(聖書の語ること)

☆神はいかなる方か
  • (御父)私たちのことを大切な存在と考えてくださる方。
  • (御父)私たちが生きるのに必要なものを備えてくださる方。
☆神さまが私たちに求める生き方
  • (命令)生活に事欠くのではないか、と思い悩むなと命じています。神さまは必要なものを備えてくださると信じることが大切です。
  • 私たちの国では憲法で、「国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」」と定めています。国民がこの権利を利用できるように国は責任を果たします。今、この国では、貧困が問題となっています。神さまは、国家を用いて、私たちの生活に必要なものを備えてくださるという面があります。そして国家がその役割を果たすようにする責任が国民にはあります。貧困という現実がなくなるようにする政治的責任が私たちにもあります。政府が責任を果たすかどうか、見張る責任が私たちにはあります。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神さま、私は自分が空の鳥よりも野の花よりも大切な存在とあなたが見てくださることを信じます。そして、あなたが生活するのに必要なものを備えてくださることを信じます。この国では福祉政策があり、たとえば年金制度があります。現役の仕事を離れ、働く報酬がなくとも年金により生活が支えられています。このような制度は人間がつくったものではありますが、人間を用いてあなたが御業をなさると信じます。牧師引退後も、あなたによって生活が支えられていることを覚えて感謝します。そしてあなたがイエス様が語ったとおりの方であることを信じ、あなたをたたえます。
  • 私たちの思い悩みは、食物や衣類だけに限られません。生活の中で起きる色々な問題をどう受けとめるか、悩みは尽きないと言えます。最善の解決が何か分からないこともあります。私の身近に病で苦しんでいる人がいます。現代の医学では治る見込みがありません。病気の症状は少しずつ進んでいきます。人は現実を受け入れていくしかありません。そのような中で、あなたのみ心はどこにあるのか、と考えます。私たちの願う最善とあなたのみ心が一致するとは限りません。私たちは思い悩みと同居しながら生きていきます。そのような中で、思い悩みに支配されないで、生きて行きたいと思います。
  • 大切なことはあなたと共に生きていくことですね。昨日、病の中にある人を見舞いに行きました。その方とご家族の上に平安と祝福を祈り続けたいと思います。何が最善の祝福なのかは分かりませんが、それはあなたにおゆだねします。
  • 今、自民党の総裁の選挙が行われようとしています。今の日本は、貧困や過労死などの問題があります。国民が安心して働き生活していける政治が行われるようにとあらためて祈ります。政治の面でも、あなたの導きを期待します。嘘と不正を容認するような政治家は、政治家の名に値しません。御心にかなう政治家を起こし、この国の政治を行わせてくださるように祈ります。
☆与えられた導き
  • 身近な病人とその家族のために祈り続ける。
  • この国に御心にかなう政治家が立てられるように祈る。