ルカ福音書 8章22~25節

2018年5月21日

(内容)

  • イエス様と弟子たちは舟にのって向こう岸に渡ろうとしました。渡っていくうちにイエス様は眠ってしまいました。そこへ突風が吹いてきて、弟子たちは舟が転覆するのではないかと恐れを抱き、イエス様を起こしました。イエス様が風と波を叱ると凪になりました。

(黙想)

  • イエス様が風と荒波を叱ると湖は凪となりました。するとイエス様は、弟子たちに向かって「あなたがたの信仰はどこにあるのか」とお語りになりました。弟子たちはイエス様について「いったいこの方はどなたなのだろう」と互いに言いました。
  • イエス様の「あなたがたの信仰はどこにあるのか」という問いは、信仰は行動となって見える形で現れるものであることを教えています。弟子たちの慌てふためきようには、信仰を見ることができませんでした。
  • 状況からして、弟子たちがパニックに陥り、イエス様を起こし、何とかしてもらいたいと願ったことはよく理解できます。舟が転覆し、生命の危険が迫っているのです。しかも自分の力では対処できません。この事態に対処できる人がいるなら、助けを求めるのは自然です。
  • しかしイエス様は、弟子たちに信仰を求めました。弟子たちは転覆の危機にあってどうすればよかったのでしょうか。マタイ、マルコ両福音書にもこの出来事は書かれています。両福音書でイエス様は、「なぜ怖がるのか」と語っています。舟が転覆しそうになり、怖がって慌てふためいている、その姿には信仰が見えなかったのです。聖書にはよく「恐れるな」と神が語りかける場面が描かれています。
  • 眠っているとはいえ、イエス様が共にいてくださるので、慌てふためく必要はなかったのでしょうが、ではどうしたらよかったのかと思います。
  • イエス様が眠っている、弟子たちにとっては、それはイエス様がいないも同然でした。私たちも辛く苦しいとき、神に祈っても何の応答もないと、神は眠っているのではないか、どこかへ行ってしまったのか、それとも神はいないのか、などと思案したりします。私たちは、「私はあなたと共にいる」との神さまの言葉、神さまの約束を信じます。たとえ、神さまが共におられるように見えなくても、それにもかかわらず、信じます。神さまがどのように行動なさるのかは、神さまの自由であり、神さまは、私たちにとってよかれと考えて行動されます。私はそう信じています。
  • 弟子たちはどうしたらよかったのか。
  1. 突風がおさまるよう祈り、おさまるのを待つ。たとい舟が転覆したとしてもイエス様が助けてくれると信じて。
  2. イエス様が眠っている間は大丈夫だと信じる。突風がおさまるようには祈る。舟が危なくなれば、イエス様が起きるだろう、そうすれば助けてくれるだろうと信じる。
  3. イエス様を起こす。ただし慌てふためかず、冷静に、しかし正直に「舟が転覆するのではないかと心配しています」と告げる。
  • マルコ福音書では、弟子たちはイエス様を起こして「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」とイエス様に行動を催促しているというか、何もしないイエス様を咎めているかのようです。
  • 讃美歌520番を思い出します。

「しずけき河のきしべを すぎゆくときにも
うきなやみの荒海を わたりゆくおりにも
こころ安し 神によりて安し」

(聖書に聞く)

☆神はいかなる方か

  • (御子)25節。イエス様は風や荒波をも従わせることのできるお方。
  • 弟子たちは「いったいこの方はどなたなのだろう」と互いに言いました。イエス様は私たちの救い主です。どんな時も、何が起きても、私たちを救うことのできるお方です。
☆神が求める私たちの生き方
  • (命令)「恐れ」にとらわれてしまいそうなときも、「恐れるな」との神の言葉を聞くこと。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父、あなたは私たちに「恐れるな」と命じてくださいます。感謝します。讃美歌520番の英語の歌詞は、「あなたは、私に『わたしは大丈夫、わたしの魂は大丈夫』と言いなさいと教えてくださっている」とあります。私たちは自分に「私は恐れない。私は大丈夫」と言うのですね。
  • 年を取ったせいか、小さな恐れがあります。一人で山を歩くことへの不安です。何か起きたらどうしようという不安です。しかし山に行ってみると同じようなお年寄りの方が一人で登っているのに出会います。実際に山に行っても、無事に帰ってこられるのです。恐れといっても思い煩いに近いものです。4月に妻と大阪の金剛山に登ったとき、つまづいて転び、膝の下をすりむいて血が出るというけがをしました。たいした怪我ではありませんが、何か起きても不思議ではないことを知ります。
  • 何に不安を感じるのか、明らかにしてみたいと思います。不安の正体を確かめます。確かめないから、漠然と不安を感じ続けるんですね。そして不安を感じさせる一つ一つにどう対処するのかを明確にし、予防できるものは予防し、対処の仕方をはっきりさせれば、不安は消えるのではないかと思いました。不安を解消して、登山、ウォーキングを楽しめるように導いてください。
☆与えられた導き
  • 何を不安に感じるのかを列挙し、どう対処するかを明らかにし、不安を感じないようにする。
  • メモにしておく