聖書の読み方について

『聖書の読み方』(加藤常昭著)「はじめに」から

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 キリスト教は、聖書の宗教であると申します。そのことのくわしい意味は別として、皆さんが教会へ行かれるとすぐそのことに気づかれるでしょう。日曜日の礼拝というのも、聖書が読まれ、その聖書について牧師が語る説教が中心になっています。いかなることを考えたり論じたりする時にも、何よりも先に聖書はそのことについてどのように言うかということをまなびます。またわれわれひとりびとりが、自分で聖書に親しみ、聖書をよんでいくことがすすめられます。聖書を日課として読む工夫や努力もいたします。
いずれにせよたいせつなひとつのことは、自己がどれだけ深い聖書とのつながりを持つことができるかということです。毎日どれほどたくさん聖書を読んでも、どれほど正確な知識を得たとしても、すこしも喜びをもって生きることができなければ無意味です。そうした喜びと力を知るような聖書の読み方は、どのようなものなのでしょうか。自分がそうした読み方を身につけるにはどうしたらよいのでしょうか。この本の目的はその点にあります。皆さんが自分なりに聖書の読み方を求めていかれるその手助けになることができたらという願いから生まれたものです。

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