第一コリント 7章1~16節

2020年10月20日

(内容)

  • 結婚をめぐって夫婦間の性交渉について、未婚とやもめの人の結婚について、離婚について書かれている。

(黙想)

  • ここに書かれている結婚観をすべて私たちに適用することはできないと思う。というのは7章の26節、29節には終末の時が切迫しているという状況が書かれている。終末が近いとの観点に立ってパウロは書いているので、注意しなければならない。
  • 1節を見ると、コリント教会から何らかの質問があり、それに応えてパウロがこの手紙を書いていることになる。その質問がどのような内容かは分からないが、結婚、男女のことであることは確かである。1節で、「男は女に触れない方がよい」とある。これは性交渉を避けるようにとの内容であり、終末の時が切迫していることを前提としていると思える。
  • 2節で「みだらな行いを避けるために」とある。5章1節でコリント教会の中にみだらな行いがあると書かれている。そこでは息子が父の妻(後妻)を関係を持つということがあったらしい。人間には性的欲望があり、これを抑制しようとするとある意味無理が生じる。性的欲求を満たすために娼婦と交わるというのは、みだらな行為に走ることになるので、人は結婚すればよいとパウロは語る。
  • 3節以下。この箇所では結婚の積極的な意義は語られない。それは終末の時が近いという認識があり、終末に備えることの大切さが前提としてある。たとい終末が近くとも人には性的欲求があるので、結婚しお互いに相手の求めに応じることが勧められる。
  • 5節でサタンが誘惑するとある。人間の欲はサタンが働くきっかけとなる。欲と誘惑は結びつき、罪を生み出す。性的な罪を犯さないために結婚はしてよいとパウロは語る。
  • しかし7節では、「わたしとしては、皆が、わたしのように独りでいて欲しい」と語る。独りなら、伴侶のことに気を遣わず、主に喜ばれることだけを考えて生きることができる。結婚すれば、伴侶を喜ばせることと主を喜ばせることの間で心が二つに分かれてしまうという。終末が近いので、主を喜ばせることに専念するのがよく、独りでいる方がよいという。これから結婚しようとする人への忠告になっている。
  • 今日では、終末が迫っているという感覚はなく、人は普通に結婚をしているし、独身を勧める理由は特にない。7節で「人はそれぞれ神から賜物をいただいているのですから」とあるのは、結婚する人がいれば、独身を通す人がいる。この違いは、神から与えられた賜物の違いだという。
  • 8~9節では、未婚者とやもめについて、はっきりと独りでいるのがよいと語るが、自分を抑制できないなら結婚したらよいとパウロは語る。
  • 10節以下では、離婚について語られる。夫婦が共に信仰者なら離婚はいけない。自分の伴侶が信仰者でない場合、相手が結婚の継続を願っているなら離婚してはいけない。その理由として、夫が信者なら、妻は夫のゆえに聖なる者とされているし、妻が信者なら、夫は妻のゆえに聖なる者とされているので、離婚はよくない。信者でない相手が別れを願うなら、離婚してもよい。
  • すぐには理解できないのが、夫婦の片方がキリスト者である場合、キリスト者でない伴侶が聖なる者であるとパウロは語る。その理由として、キリスト者の子は、聖なる者であるから、キリスト者でない伴侶は聖なるものであるという。キリスト信者でない伴侶が聖なる者であることをどう理解するのか。夫婦の一人がキリスト者であれば、信者でない者も救われるということなのか。日本では、伴侶が信者でないキリスト者は多い。

(聖書に聞く)

☆神が求める私たちの生き方
  • (教え)夫婦が信仰者の場合、離婚はいけない。
  • (教え)信者でない伴侶が離婚を願う場合、離婚してもよい。
  • (教え)夫婦は、互いに相手の性的求めを拒んではならない。
  • (教え)未婚者、やもめが独りでいるのがよいというのは、終末が近いという状況下にある人への教えと考えられる。現代において、この教えは適用されない。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神さま、今日も聖書を読むことができ感謝します。私は40年以上の結婚生活を続けてきました。色々なことがありましたが、互いに相手を大切にして、今日に至ることができたことは感謝なことです。教会での結婚式を希望する人たちに対して、聖書に基づき、結婚について学んでもらい、式を挙げることができたことは感謝なことでした。
  • 今日の聖書を読んで、夫婦の片方だけが信者の場合、未信者の配偶者が聖なる者であることをどのように理解したらいいのか、戸惑いがあります。聖なる者とされているなら救われるのか。キリストを信じていなくても、配偶者の信仰のゆえに救われるのか。この点について、確かな理解を得たいと思います。
☆与えられた導き
  • 未信者の配偶者が聖なる者とされる根拠を調べる。

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    2,3注解書を見たが、納得のいく説明はなされていなかった。