ルカ福音書 18章1~8節

2018年12月5日

(内容)

  • イエス様は、気を落とさずに絶えず祈ることを教えられました。

(黙想)

  • イエス様はたとえを語り、神さまは、昼も夜も叫び求めている選ばれた人たちをいつまでも放っておかれることはないと告げます。同時に神さまは「速やかに」裁いてくださるともあります。神さまの対応について、いつまでも放置されることはないということ、そして速やかに対応してくださることが言われる。つまり、私たちの叫びを速やかに取り上げてくださることもあれば、時間はかかるが必ず取り上げてくださる場合もあるということになります。つまりいつ叫びが聞かれるのかは神さまの自由となります。しかし私たちはあきらめることなく、気を落とさずに祈ることをイエス様は求められます。
  • 私たちが叫び求めた結果、私たちの願い通りになるとはイエス様は語っておられません。たとえのなかで、裁判官は、やもめの求めに応じて、裁判をすることを約束していますが、裁判結果が彼女の願い通りになるとは語っていません。裁判官は裁判官の良心に従って裁判を行います。
  • 私たちの祈り、願い、叫びは神さまのもとにとどきますが、神さまの対応は、私たちが願い求める通りになるとは限りません。神さまの御心が行われるということだと思います。神さまは、私たちの叫びを放置されることはありません。私たちが叫び始めたときから、神さまのもとには届いていると信じたいと思います。神さまは神さまがよしとされるときに、私たちの願いに対応してくださると考えます。
  • 思うことがもう一つあります。それは社会的・政治的な苦しみの中にある人たちの叫びです。政治的な抑圧の中にある人たちの叫びは、なかなか神さまに届かないように見えることが多いものです。忍耐をしながら政治的な状況の変化を期待する、あるいは変化をもたらすために動く、というのは簡単ではありませんが、希望を持ち続けることが求められる、そういうことがあります。そういう苦しみの中にいる人たちが今もいます。神がおられるなら神は何をしているのか、との疑問も出されます。国家が内戦状態で国を捨て、異国に安住の地を見いだそうとする人たちにとって、神に祈るってどういうことかと思わされます。
  • イエス様は、人の子が来るとき、果たして地上に信仰を見いだすだろうかと語られます。どういうことでしょうか。気を落とさずに絶えず祈る信仰が見いだせないということでしょうか。それとも人の子が来ることを祈り求める信仰が見られるか、ということでしょうか。
  • 私たちは自分の人生がどうなるのか、最大の関心を持ちます。辛いことや苦しいことがあれば、その解決を神さまに求めて祈り、叫びます。私たちは自分の人生については大きな関心を持ちますが、果たして神さまの事柄に関心を持っているのでしょうか。人の子の到来、それは、この歴史に終わりが来て神さまの救いが完成し、神の国が到来することです。あらゆる悪が滅ぼされ、神さまの御支配が完成するということです。このことを心に留め、人の子の到来を待ち続ける信仰のことをイエス様は語っておられるように思います。

(聖書に聞く)

☆神はいかなる方か
  • (御父)8節。神さまは叫び求める者たちをいつまでも放置される方ではない。
☆神が私たちに求める生き方
  • (勧め)1節。気を落とさずに祈ること。神のみ業を期待し、忍耐強く祈ること。
  • (教え)8節。人の子がおいでになり、神の御支配が完成する時を待ち望む信仰に生きること。神さまの御支配が今、私たちの上にあることを信じ、たとい苦しみの中にあっても、神の御支配の中で神に導かれることを信じて祈り生きること。そして神の御支配の完成する時を待ち望むこと。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神様、イエス様は気を落とさずに祈ることを教えてくださいました。私の妹は難病に認定された病の中にあります。病気は徐々に進行しています。現段階では、治す方法はないとのことです。今の私の願いは、妹が自分の人生を感謝できることです。妹はあなたを信じてはいませんので、あなたに感謝することを知りません。私たちは誰もが生涯を終えます。自分の人生を、これで良かったと思えることは大切ですだと思います。あなたが妹の心に平安を与え、感謝できる心を与えてくださるようにと祈ります。気を落とさずに祈り続けます。
  • 父なる神様、イエス様は「義に飢え渇く人々は幸いである。その人たちは満たされる」と語られました。この国の現政権は、他者の声に耳を傾けようとはしません。不誠実で無責任な政権です。このような政権が倒されることを願っていますが、なかなかその時は来ません。外国では、生きるために祖国を離れている人たちもいます。国内情勢が厳しいのです。命の危険がいつもある、とんでもない事態です。人が家族と共に平和で幸せな生活ができる、こんな基本的なことがかなわない現実があります。この点でも忍耐強く祈ることが大切ですね。
  • そして、終末の時、悪が裁かれ、あなたがの御支配が完成することを待ち望む信仰に歩みたいと思います。御国において、あなたは人々の目から涙をことごとく拭い去ってくださいます。自分がたといどのような状況の中に置かれてもあなたのご支配の中に置かれていることを信じてこの世を歩み、あなたが共にいてくださることを信じて歩み、義に飢え渇く人たちが真に満たされる日の到来を待ち望む信仰に歩みます。導いてください。
☆与えられた導き
  • 妹のために祈り続ける。
  • 御国の完成を待ち望む信仰に生きると、祈りの中で告白していく。