フィリピの信徒への手紙 1章12~30節

2018年12月3日

(内容)

  • パウロの投獄されたことが福音の前進に役立っていることを知って欲しいこと、パウロにとっては、生きるとはキリストであり、自分の身を通してキリストの崇められることが願いであり、この世を去ってキリストと共にいたいとの熱望と、生きてフィリピ教会のために尽くすこととの間の板挟みになっていることと伝え、最後にキリストの福音にふさわしい生活をしなさいとの勧めがなされる。

(黙想)

  • パウロの投獄により、確信を得た主に結ばれた兄弟たちがみ言葉を語りだしたとあります。み言葉を語りだした兄弟たちというのは、宣教のために召された人だけではなく、投獄されたパウロの周辺にいる信仰者たちと考えることができます。つまり普通の信仰者です。その普通の信仰者が御言葉を語り出す、注目すべき出来事です。もし教会の中で、信仰者たちがみ言葉を語りだしたらどうなるのだろうか、と想像します。
  • 僕は、神が生きて働かれる方であるとの確信を得たときから、自分が変えられたと思っています。説教で自分の語る言葉に確信を持つことができるようになりました。ディボーションを学ぶようになり、ディボーションという形で御言葉に生きる歩みが整えられました。今、夜の祈祷会で、機会が与えられたときは、証しをするようにしています。
  • 今、教会に来ている人たちにはどんな確信が求められているのだろうか。
  • キリストを宣べ伝える動機は、人によって違うことをパウロは指摘します。パウロはどのような動機で他者がキリストを宣べ伝えているのか、その動機を批判しません。むしろキリストが宣べ伝えられていることを喜んでいます。私たちの悪い癖として他者を批判し、自分を正しい者の位置におくことをしがちです。宣教は基本的に神さまの御業なので、宣教者がそれぞれ神の御前にその働きをなせばよいのであって、他者を批判する必要はないことをパウロは教えています。
  • パウロは、自分の身を通して、キリストが公然と崇められることが願いであり、希望していると告げます。信仰者なら、だれもが抱く願いだと思います。それをどのように実践するのか、一人一人の課題です。しかしいつの間にかしぼんでしまう願いかもしれません。この願いを持ち続けるには、励まし合う信仰の友人は大切な存在です。互いに助け、助けられて信仰の歩みが維持されます。パウロは、フィリピの教会の人たちの信仰を励ますことを自分の大きな使命と考えています。他者の信仰を励ます、尊い働きだと思います。
  • その結果、彼は板挟みの状態に陥っています。個人的には、世を去ってキリストと共にいたいと熱望しています。しかし世に残れば実り多い働きをすることができるのでどちらを選んだらよいかわからないというのです。
  • パウロは「この世を去ってキリストと共にいたいと熱望しており」と語ります。この信仰の境地に私は憧れます。年をとり、世を去るときが遠くないのに、慣れ親しんだこの世には愛着があり、いつ死んでもいい、とは簡単に言えず、さりとて神の国をどう待ち望んだらいいのか分からない身には、パイロの熱望には憧れます。
  • パウロはフィリピ教会の人々にキリストの福音にふさわしい生活を送りなさいと勧めます。具体的な内容は2章に書かれています。キリストの福音にふさわしい生活を素直に喜び、これを素直に生きる信仰者になりたいと願います。しかし自分の信仰生活はこれでは十分ではない、と何か足りなさ、不十分さを覚え、自分の信仰の歩みを喜べていない信仰者が多いような気がします。

(聖書に聞く)

☆神が求める私たちの生き方
  • (勧め)14節。み言葉を語る。これは証しをすると言い換えてよいのではないかと考えます。教会の中で、信仰を励ます合う言葉を互いに語るのです。
  • (模範)20節。パウロのように、生きるにも死ぬにも、自分の身によってキリストが公然と崇める生活を送ること。死ぬにも自分の身によって崇められることは祈り求めることが必要ではないか。いざ死期に臨んでも、キリストを証しするような最後は、祈り求めてこそ、可能なのではないか。
  • (模範)23節。キリストと共にいたいとの熱望を自分も持ちたい。

(神の導き)

☆祈り
  • 天の父なる神、今日はパウロの手紙を読み、色々思いめぐらすことができて感謝します。今日は、二つのことを祈りの課題にしたいと思いました。自分が死ぬにもキリストが崇められるようになること、キリストと共にいたいと熱望するその熱望を自分も持つことができるようにです。パウロは信仰の先輩です。私たちの行く先を身を以て示してくれています。感謝します。
  • そして私も折に触れて、他の人たちの信仰を深めて喜びをもたらすことができるように、証しができることを願います。神さま、どうぞ導いてください。
☆与えられた導き
  • 二つのことを祈りの課題に加える。
  • 自分の死を通してもキリストが崇められること、キリストと共にいたいとのパウロの熱望を自分も持てるように。