ローマ 4章13~14節 約束の重み
2022年12月15日
(内容)
- 神の約束は、律法に基づくものではなく、信仰に基づく。もし律法に基づくなら、信仰は無意味であり、約束は廃止されることになる。
(黙想)
- ユダヤ人、ユダヤ人キリスト者には律法に対する思い入れがある。パウロが信仰によって義とされることを語るとき、彼らの目に律法が軽視されているように映る。その結果パウロの語ることを素直に受け入れることができない。そこでパウロは粘り強くユダヤ人に対する説得を続ける。
- 創世記によれば、アブラハムは土地を受け継ぐとの約束を与えられた。ここでは「世界を受け継ぐ」という約束となっている。「世界を受け継ぐ」が何を意味するのかは今は問わない。アブラハムは、神から約束を得た。それを信じた。
- パウロは、律法に頼る者が世界を受け継ぐなら、つまり約束の実現を受け取るなら、信仰は無意味であるという。つまり律法を行い、その報酬として約束の実現を得るなら、信仰はいらないことになる。律法を守る努力をして、その褒美として約束のものを受け取るのだから信仰はいらない。しかし律法を完全に守ることができる者はいないから、律法を守って約束されたものを得ることのできる人はいない。約束は絵に描いた餅でしかない。そのことをパウロは、約束は廃止されたという。
- もし律法に頼る者がいれば、つまり律法の実践によって約束されたものを得ようとするなら、信仰は意味が無くなるし、しかも人は律法を完全に守ることはできないから、約束されたものを手に入れることができない。言い換えると約束は廃止されたに等しい。
- パウロは、律法に頼るのではなく、信仰によることを訴える。
- パウロはなぜ、このように徹底的に律法に頼ることを否定するのか。約束を信じることを強調するのか。ここではアブラハムに対する神の約束が取り上げられている。現代のキリスト者には関係のない昔の話しに見える。
- しかし神の約束はとても大切である。神の約束は私たちキリスト者にも深く関係している。信仰には神の約束を信じるという大切な一面がある。その約束は信じる者に実現するという信仰の原理がある。神の約束は神の教えを守って褒美として与えられるものではない。この世界は、働きに対して報酬が与えられる世界である。この原理が信仰の世界に持ち込まれやすい。すると神の教えを守った者が約束の実現を自分のものにすることができることになる。
- しかし信仰の世界はこの世とは違う。神の約束を信じて生きる者が、約束の実現を見るのである。そしてキリスト者にはイエス・キリストにおいて神の約束が与えられている。だからパウロは徹底して信仰を強調し、律法に頼ることを否定する。
- 神の教えを実行し、神から祝福を得るという考えをパウロは否定する。神の祝福は恵みとして与えられるのであり、信仰によって祝福、言い換えると約束の実現を期待するのがキリスト者であることをパウロは伝えようとしている。恵みの約束を信じることを伝えようとする。
- ここで教えられることは信仰における「約束」の重みである。アブラハムは信仰の父となった。これだけでも「約束」の重みが伝わる。
- 信仰によって義とされる、これは約束である。イエス・キリストを信じる者は永遠の命を得る、これも約束である(ヨハネ3:16)。神は信仰者と共にいてくださる、これも約束である(マタイ1:23、28:20)。どんな試練の中でも神は逃れの道を備えてくださっている、これも約束である(コリント一10:13)。イエス・キリストを信じる者には聖霊の賜物が与えられる、これも約束である(使徒2:38)。イエス・キリストを信じる者は、キリストに結ばれて神の子である(ガラテヤ3:26)。キリスト者は神の子として神は取り扱ってくださる、これも約束である。キリスト者が思い煩うとき、キリスト者のことを神が心にかけてくださるので何もかも神に任せればよい。神が心にかけてくださる、これも約束である(ペトロ一5:7)。キリストの軛は負いやすい(マタイ11:30)。信仰者にとって神の約束を信じることは非常に大切であり、信仰生活を左右するということもできる。
- 使徒パウロはキリストを信じる信仰における約束の重みを知っていた。信仰には約束を信じるという一面があると確信していた。そして信仰の重要性を教えている。
- アブラハムが神の約束を得たのは、律法が現れる前であり、このことも信仰によって約束の実現を得ることを教えている。
(聖書に聞く)
☆神はいかなる方か
- <御父>アブラハムに世界を受け継がせると約束された方
☆神が私たちに求める生き方
- <教え>律法に頼る者は、約束のものを得ることはできない。
- <教え>律法の実践に頼るなら、信仰は無意味となる。
- <教え>神の約束は恵みであり、キリスト者は信仰によってこの恵みを受け取る。
(神の導き)
☆祈り
- 天の父よ、今日は大切なことを教えられました。私たちがあいまいにしていることをパウロは明確に教えています。あなたの祝福は恵みであり、あなたの約束は恵みであり、この恵みを私たちは信仰によって受け取ることを教えられます。しかし、信仰によって受け取るということがどういうことなのか、わかりにくいです。そして神の教えを守る者に神の祝福が行くという、この世の原理に戻ってしまう人が少なくないと思います。
- あなたの約束を信じること、約束の大切さ、信仰によってあなたの恵みを受け取ることについてブログに書いてみたいと思います。
☆与えれた導き
- 約束をめぐってブログに書く。